扁桃腺手術ブログ、続編です。①はこちら。
今回はいよいよ手術当日編です。結構リアル描写なので、痛いのとか血とか苦手な人は読まない方が良いかもです。
目次
手術当日
前日の夜は手術に備えてぐっすり眠らなければ、と意気込んでいたのですが、同室に夕方緊急入院になった人が夜手術を受けた影響で病室が騒がしかった為、眠剤を看護師さんにお願いしてようやく眠りにつきました。
8:00 起床
検温と血圧、心拍測定。特に問題なし。
前日に渡された経口補水液は若干残し。少しなら残して良いと言われていたのですが、もう飲めないのかとちょっとしつこく聞かれました。
飲めば飲めるけど、術後の安静時間にトイレに行きたくなるのが嫌で、水分は最低限に抑えたかったのです。
絶食中なのでもちろん朝食はなし。飲水もここからはダメです。
手術当日の流れ(予定)
8:00 飲水禁止
11:00 手術開始
12:00 手術終了。麻酔を覚ましてから回復室にて30分から1時間程度様子見。
13:00 出血がない事を確認し、病室へ。2時間は酸素吸入と安静(動いちゃダメ)
15:00 安静解除
ざっとこんな感じです。
9:00 姉来院
通常お見舞いは14時~20時までなのですが、手術前日と当日は例外との事。
手術室への移動で看護師さんに呼ばれるまで、病室でおしゃべりをして気を紛らわせます。
1番めの手術は同じ扁桃腺切除手術で、子供の手術との事でした。
9時開始から1時間程度の手術後、手術室の清掃と準備が入って、だいたい10時半~11時くらいに呼ばれるのでは、と言われていたのですが、なんと10時前に呼ばれました。
子供の手術は大人よりも簡単とは聞いていましたが、30分くらいで終わったのでしょうか・・。
急いで術衣に着替え、ひざ下丈の弾圧ストッキングを履きます。(術中動けないので足に血栓ができるのを防ぐ為との事)
10:00
いよいよ手術室へ移動します。
まだ元気なので看護師さんと一緒に歩いて移動です。
手術室までのルートは、スタッフ専用のドアから専用エレベーターでの移動でした。
4階が手術室で手術室の前で姉と別れます。
いざ、手術室へ!
中央手術室、と書かれた部屋の自動ドアが開き、目の前に広がる光景にビックリ。
銀色の空間にドアのない入口が左右にずらっと並でいて、何かの格納庫みたいな、近未来的というか、なんとも言えない光景でした。
思わず「すごいですね。。」と言うと付き添いの看護師さんが、「手術室は全部で10部屋あるんですよ」との事。
「8番です」と言われたので8番手術室を目指し前に進むと、8と大きく書かれた手術室の入口に、前日病室に説明に来てくれた手術室担当の看護師さんと、もう1人(おそらく事務担当の人)が立っていました。
そのまま8番手術室へ進むと、まず入口で本人確認と予め提出してあった手術と全身麻酔の承諾書の確認があります。
確認後手術室の中へ。
部屋の中も銀色の世界です。
思いの外かなり広い部屋の中央にベッドがぽつんと置かれています。早速ベッドへ横になるように促され、ここでスリッパとメガネを付き添いの看護師さんに回収されます。
ここからは手術室担当の看護師さんが早口でいろいろ進めていきます。
まず、落ちないようにベッドに手足を固定。
ストッキングの履き方を確認。
諸々機械につながれます。
麻酔医の先生がやってきて、点滴の開始。
その間執刀医の先生は少し離れたところでぼんやりしていました。
「麻酔始めますよ」と麻酔医の先生に言われ構えると、「今機械からピ、ピ、ピと聞こえている自分の心拍をもう少しゆっくりにして下さい。」と言われました。
言われた通りゆっくりにしょうと深呼吸したところで意識がなくなりました。
12:00(推定)手術終了 麻酔からの覚醒
名前を呼ばれて目が覚めると意識がなくなった時と同じ手術室の中でした。
目を開けてしばらくすると、喉から何か抜かれた感じがし、酸素マスクを付けられました。おそらくこの時人口呼吸用の挿管チューブが抜かれたようです。
依然としてぼーっとする中で程なくしてベッドが動き出しました。手術室の隣にある回復室への移動です。
肝心な痛みはと言うと、少し喉が痛い、くらいの感じで、それよりも痰が絡んで苦しいのと、舌がじんじんするのが気になります。
声は出ないようです。(他の人のブログで手術室で既に喋れた人がいたのでちょっと期待していたのですが・・)
先生に「取ったの見ますか?」と言われ頷いてみたのですが、メガネがなくて裸眼だった為すごくぼんやりとしか見えず、瓶の中の丸いもの、くらいにしか判別できません・・。
麻酔医の先生が点滴の針部分に触れ、「痛いですか?」と聞いてきたので、そういえば痛いなと思い頷くと、「痛いですよね、漏れてますね、さし直しましょう」と言い点滴がさし直されました。
とりあえず痰を出したくて苦しそうにしていると看護師さんがティッシュを渡してくれたので、痰をティッシュに出します。
「右側の出血がひどかった為、手術時間が予定よりオーバーして1時間45分かかった」という報告が近くで聞こえました。
13:00(推定)病室へ移動
しばらくして病室へベッドごと移動です。病室へ戻るとそのまま病室の酸素に繋がれ、もろもろ計測し、そこから2時間の安静を言い渡されます。
依然として喉が苦しく、痛みも増してきています。
痰と血をティッシュに何度も出します。
熱は38.5度。熱のせいなのか、喉の痛みのせいなのかだんだん耳や頭も痛くなってきます。
ひとまず点滴で痛み止めを入れてもらい、痛みがひくのを待ちます。
完全にベッドに寝てしまうと喉が詰まって息が出来ないような感じがした為、ベッドを少し起こした体勢で安静時間を過ごします。
付き添いは必要ないのかな、と当初考えていたのですが、全くしゃべれないししばらく動けないので、やはり術後の付き添いは必要かなと思います。
いろんなところが痛いし苦しいのにしゃべれない、というつらさはなかなかでした。
とりあえずiphoneの画面に言いたい事を入力し、付き添いの姉に見せ、必要に応じて看護師さんに伝えてもらうの繰り返しです。
痛み止めの点滴が終わると、今度はステロイドの点滴を開始です。
この頃には気持ち悪さが出てきていて、看護師さん曰く、全身麻酔の後は仕方ないとの事。耐えるしかないようです。
15:00安静解除
安静解除になり、トイレのみ歩行許可が出ました。
とりあえず痰を出したくて洗面台へ移動します。鏡の前で頑張って口を開いてみると、舌の厚さが3倍くらいに腫れ上がっている事に気付きます。
舌から出血もしています。
手術中器具で舌を抑えつけている為、舌が腫れたりするとは聞いていましたが、予想以上の腫れでした。こんなに腫れてたらしゃべれないのは当然だと納得。
手術が長引いたから余計舌へのダメージも大きいようです。
さらに鏡をよく見ると、顔の輪郭が変わる程顎から耳にかけての部分がパンパンに腫れていて、口角も切れています。
飲物を飲んでいいと言われ、水を口に含んでみたものの、なんと飲み込めません。
扁桃炎時の飲み込めないは、痛くて飲み込めない、なのですが、それとは全く別物。
感覚としては、喉が狭くてゴクンと飲みくだせない、といった感じが近いです。
仕方なくうがいを試みますが、むせるし鼻から出るしでちゃんとできません。
でも痰を出すのを手伝ってくれるので、30分に1回くらい洗面台に移動し、うがい(らしきもの)をするのをしばらく繰り返しました。
18:30 夕食&診察
夕食が出てきました。ちらっとのぞくと完全流動食。水も飲めないのに食べられるはずがないので、食事は見送ります。
直後に先生が4人くらいで診察に来ました。喉を確認し、とりあえず出血はしていないようで、安心。あまりにも痰と一緒に血が出るから出血してたらどうしようと不安になるのですが、喉の奥に溜まっている術時の血が出てきているみたいです。
この時、右側だけ出血がひどかった為縫ったと教えてもらいました。
(扁桃腺の手術は基本縫いません。)
19:00
痛みが強くなってきたので痛み止めの追加を依頼すると、なんと錠剤が出てきました。しかもここはボルタレンかと思いきやロキソニン。姉も「え?錠剤ですか?」と看護師さんに訴えます。
とりあえず口に入れ、ゴクンとしても飲み込めず、舌の感覚が全くない為錠剤が口の中のどこにあるのかもわかりません。
何度かゴクンを繰り返し、口の中で錠剤が溶ければ苦くなってわかりそうなので、どうにか飲めたようです。(夜中の痛み止め服用に際に看護師さんに飲み込めているかわからない旨を伝えたところ、自然におりていくから大丈夫ですよ、と言われました。)
19:30 旦那さん来院
旦那さんが到着し、姉と交代です。
状況を引き継ぎし、姉が帰りました。術後約7時間くらいずっと付き添って面倒をみてくれました。ほんと助かりました。
旦那さんともポツポツとiphoneで会話。30分毎に洗面台に行くのを繰り返します。
この頃からだんだん痰に混ざる血が減ってきました。
21:00 旦那さん帰宅
相変わらず喉が苦しく、このまま寝たら窒息してしまうのではないかと怖くて眠れません。
痰も苦しいので、点滴を押してマグカップを持って洗面台との行き来です。
あまり喉に力を入れると出血してしまう為、力強く痰を出せないのもつらいところです。
すっかりお世話になっている洗面台は病室入ってすぐのところにあり、専用の電気スイッチと椅子がありました。
両側が壁になっている為、一晩中洗面台の番人と化していても、洗面台の電気で同室の人は眩しくないし、廊下からも見えないのがとても助かりました。
そんな感じで一晩過ごしていましたが、そんな中プチアクシデントが。
看護師さんが点滴の交換に来てくれて、その時ちょっと針のあたりがひんやりするな、とは思っていたのですが、しばらくしてやはり冷たい、ていうか腕の下の布団が濡れてる事に気づきナースコール。
やって来た看護師さんに濡れている箇所を指さして訴えます。
看護師さんが点滴を直しているのをぼんやり見上げていると、急に針の付近のチューブが外れた事に気づきます。
「え?」と思って腕の下を見ると布団が真っ赤。30センチ四方くらいにわたって布団が血に染まっています。
慌てて看護師さんにまたジェスチャーで訴えると、どうやら新人さんだったらしく先輩看護師さんがすぐにやって来ました。
そんなわけでまた針の位置を変えるべく本日3度めの点滴をさされました。
さし直しの際、元々さしていた左の血管が出にくかったのか、右手でいいかと聞かれましたが断固拒否。
いつ抜いてもらえるかわからない点滴を利き手にさすなんてありえない!という気持ちでしきりに首を振り、なんとか左にさしてもらいました。
こんなプチアクシデントもありつつ、洗面台の番をしながら一睡もしない手術当日の夜が過ぎました。
手術当日はとりあえず、痛みもあるし熱もつらいけど、それよりも喉の閉塞感と痰との戦いでした。痛みは思っていたよりも全然マシでした。扁桃炎の方がずっと痛いです。
だらだら書いてしまったので、術後経過編からはもうちょっと簡潔に書きます・・。
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